間取り紹介動画

お施主さんからの要望

今回は、お施主さんから以下のような要望をいただきました。

上記のような要望を踏まえ、30.9坪で「お客さんのために和室を作りたい」や「両親と同居した時も便利に過ごしたい」や「大人は書斎にこもりたい」という理想を実現しました。その際に駆使したテクニックも紹介していくので、ぜひ参考にしてください。

玄関編

玄関について

玄関は和風の玄関ドアに、人感センサーつきの照明と、雨に濡れないための軒天があります。

玄関にはニッチがあり、正面に玄関直通の和室への入口もありますね。玄関の土間はいつもより少し狭くて、幅が1.25P(1P＝91cm)です。

玄関ホールの幅がいつもよりも狭めになっている理由は、このトイレの前にある独立のミニ手洗いです。トイレの中にはカウンターも用意して、収納スペースを確保しています。

シューズクロークについて

シューズクロークの幅はいつも通り1.5Pで、靴を置くスペースと、カバンや傘を掛けるスペースを確保しています。また、いつも通りイソ吉草酸の臭い対策をして、ロールスクリーンで目隠しをしてバッチリですね。

和室編

今回の和室は、玄関直通の4.5畳の和室です。縁なしの半畳畳で良い感じになっていますね。長押（なげし）もついているので、着物やコートを掛けることもでき、壁も収納スペースになっています。

和室の押入の幅は1.5Pです。押入というのは基本的には2Pの幅が必要ですが、1.5Pあれば布団を入れることはできるので、無理に2P幅をとらなくても問題ありません。押入の横にはクローゼットも配置して、非常に収納が充実した和室になっています。

LDK編

リビングについて

リビングは南側に大きな窓が付いていて明るいですね。リビングは全体で21畳くらいで、階段を除いたら19畳くらいのスペースになっています。さらに、リビングはL字の二面採光になっています。

リビングの奥行は3.75Pです。ほぼ4Pなので、問題ないでしょう。幅は壁から窓まで3.5Pになっているので、窓際に1Pの通路を作るとすると、ソファーを置ける幅が2.5Pです。これだけのスペースを確保すれば2mのソファーを置くことができるので、たいていのソファーは入ります。なので、リビングの横幅を最低でも2.5Pは確保するようにしてください。

また、南に大きな窓がありますが、このようにソファーとテレビの横に窓を付けてください。

ダイニングについて

ダイニングテーブルは、4人掛けで幅1,400mmのものが入っていますが、1,600mmくらいまでなら置ける感じになっています。また、今回はキッチンとの並列型ですね。並列型の場合はダイニングのペンダントライトの位置を決めることができます。ダイニングの上に持ってくると、オシャレですよね。

また、このようにダイニングテーブルの近くにコンセントをつけておくことで、ホットプレートを使いやすくなりますよ。

ダイニングからは和室に繋がる扉があります。これを開放することで、リビングと合わせると合計25畳くらいの大空間になっています。普段は開け放して使っておいて、お客さんが来た時には仕切ったり、ご両親と同居するようになったら和室を完全個室として使うことができます。

ダイニングの一角には勉強スペースもあります。幅が1.2mくらいあれば、詰めれば2人座れます。カウンターが二重になっているので、ノートパソコンをしまうスペースにもなりますね。

勉強スペースの椅子は、わざわざ置いたらゴチャついてしまうので、ダイニングの椅子を使えるようにしています。このように兼用するのも良いと思います。

また、勉強スペースの隣には、幅800mmの本棚もあります。天井まで繋がっているので、めちゃくちゃ収納量がありますね。固定しているので、地震が起きても倒壊のリスクがありません。予算に応じてではありますが、ぜひ検討してください。

キッチンについて

キッチンとカップボードの幅は、最低でも800mmはとりましょう。推奨は1mくらいで、今回はバッチリとれていますね。

キッチンはいつも通り幅が2,550mmです。水切り金物があって、カウンターにはコンセントもついています。深型の食洗器や、水無し両面グリルがあって、レンジフードは同時給排です。

キッチンカウンターもキッチンパネルも黒に統一されていてかっこいいですね。ただし、これはオプションになることがあるのでご注意ください。

キッチンの後ろ側には2,700mmのカップボードが付いています。カップボードの横には冷蔵庫スペースもありますね。カップボードにはゴミ箱スペースも確保しておいて、コンセントも2口のものを2箇所に配置しています。このように、最低でも2口×2箇所の4口付けてください。調理家電は消費電力が高いので、専用回路にしてくださいね。

キッチンとダイニングを並列にする時は、西側一面を収納などに使うようにしてください。西日は要らないので、西側に窓を作る必要はありません。壁をうまく使って収納に使うのが、西側の使い方の鉄則です。

今回は東側には大きな窓がありますが、これはリビングをＬ字の二面採光にするためです。ただし、東側なのでどうしても朝日が入って暑くなってしまいます。そういう場合は、アウターシェードを取り付けてください。特に窓がlow-eペアガラスだったら日射を80～90%カットしてくれます。これをしないと、窓の外にストーブを置いているような感じになってしまいます。そのため、夏の暑さ対策のためにも東西に大きな窓をつけて採光する場合には日射対策をしてください。少しお金はかかってしまいますが、アウターシェードがおすすめです。

アウターシェードをつけないという場合も、後からよしずやすだれを検討してください。そうしないと本当に暑くなってしまうので、朝日や夕日の対策をしっかりしてくださいね。

水回り編

洗面所について

今回、洗面台は900mmで、横に洗濯機を置くスペースがあります。

洗面所の後ろ側には収納スペースがあり、パンツやバスタオルをとることができるようになっていますね。

お風呂について

お風呂は1坪タイプで、いつも通り断熱の蓋と断熱の浴槽があり、節水シャワーになっています。シャンプーなどを置く場所は水がポタポタ落ちる構造ですね。また、お風呂の床材を選ぶ時に「水はけが良いものを！」と言う人は多いですが、換気扇のフィルター掃除は忘れないようにしてくださいね。結局、お風呂がカビる原因はお風呂のフィルター掃除をサボったことです。家を作るだけではなく、家に住んだ後のメンテナンスも大切にしていきましょう！

WIC(ウォークインクローゼット)について

また、今回は洗濯機から直で外に洗濯物を干したいという要望があったので、WICを通って勝手口に直行できるようになっています。とりこんだ洗濯物は3畳のWICに全部しまうことができますし、さらにWICには物干し金物もついているので、室内干しもできます。

WICには排気口があるので、カビ対策もバッチリですね。このカビ対策を忘れないように注意してください。さらに、WIC内にもコンセントを配置し、スティック掃除機を置けるようになっています。

二階編

階段について

「階段の上は吹き抜けじゃないといけない」と思っている人が多いですが、階段の1段目の上であれば2階に部屋を作ることができます。身長が高い人や、階段のかけ方によっては難しいこともありますが、基本的には部屋を作ることができるので、こういったテクニックも使ってみてください。

二階廊下について

今回、二階の廊下はすごく狭くて2畳もありません。「そんなに狭いと、人が一斉に出てきた時にぶつかる！」と思う人もいるでしょう。今回は２階に4部屋あります。それでも実際は全員が一斉に部屋から出てくることはありませんよね。間取りをコンパクトにし、コストダウンするという工夫を取り入れてください。

書斎について

書斎は3畳弱の個室になっています。さらに本棚があり、収納スペースもたくさんあります。カウンターの奥行は600mmで、幅も広いですね。上にカウンターもあり、コンセントも配置されていて、贅沢なスペースになっています。ただし、凹凸がない部屋は声が反響してしまうので、イスやカーペット、額縁とかを掛けることで、住んだ後に意識して音の反響を抑えてください。

主寝室について

寝室は3.5P×.3.5Pという理想的な6.1畳の主寝室です。南側に窓があるので明るいですね。

また、主寝室のクローゼットは、先ほど紹介した階段の1段目の上のスペースです。このスペースがあるだけで違いますよね。納戸のように使うことができます。1階に広いWICがあるとはいっても、なんだかんだ2階に季節物を収納しなければならないので、このように収納を作っていってください。

子ども部屋について

子ども部屋はいつも通り4.5畳くらいです。ベッドと机を置けて、クローゼットもあるので十分なスペースですね。

もう一つの子ども部屋は、ちょっと変形型です。ただし、ベッドと机をこのように配置すれば、問題ありません。このような変形型の場合は「ここにシングルベッドを置いて、机を置けば通路を確保できる！」と確認してくださいね。

本当は収納は扉の近くに置くのが理想的ですが、やむなく奥にいってしまった場合には、家具の配置を細かく計画した上で決定するのがおすすめです。これをやらないと後悔する人が多いので、注意してくださいね。

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