間取り紹介動画

お施主さんからの要望

今回は、お施主さんから以下のような要望をいただきました。

上記のような要望でも、延床面積約30坪で実現することは可能です。日本の一戸建ての平均サイズは、大体延床面積34坪くらいです。ですので、坪単価を70万円だとしたら、300万円くらいコスト削減できてるんですね。

なので「コストは抑えたいけど要望はたくさんある」や「なんとか30坪に抑えたい」という人は参考にしてください。特に今回の間取りは、1階に主寝室があります。1階完結型の間取りで、しかも1階だけで2LDKの間取りです。ほぼ平屋のような間取りになっているので、1階に主寝室を持ってきたい人にもおすすめですよ。

玄関編

玄関について

玄関にはいつも通り、人感センサーつきの照明と、雨に濡れないようにひさしがあります。
また、玄関ホールの壁にはニッチをつけ開放感を演出するだけではなく、シャチハタや鍵を置く場所にしています。

そして、さらにコート掛けですね。お施主さんの要望で「玄関ホールにコート掛けがほしい」とのことでしたので、スペースを確保しました。

玄関土間部分の幅は、1.5P(1P＝91cm)です。「2Pとりたい」と言う人もいますが、そうすると10万円～15万円高くなってしまうので、削減した方が良いでしょう。また、玄関ホールの奥行は1Pにしています。そんなに狭く感じませんよね。

玄関収納について

シューズクロークの幅は、いつも通り1.5Pとりました。「通路が狭い」という人もいますが、55cmくらいとっているので全然問題ないでしょう。シューズクロークに2Pの幅をとってしまうと、通路だけが広くなって収納はほとんど増えず、それなのに予算が10万円～15万円上がってしまいます。なので、こういうところは削っていきましょう。

さらにイソ吉草酸対策の換気扇もばっちりで、ロールスクリーンもついています。また、今回は反対側にも収納があります。

ここにはわんちゃんの色々な道具などを置けるようになっていますが、これは実は階段下です。このように、階段下のスペースも有効活用するということも忘れないでくださいね。

LDK編

玄関～リビングの動線について

この家は、玄関ホールから直接キッチンに繋がるようになっていますが、これは本来であれば避けるべき形です。キッチンに直接入ってしまうと、足元がごちゃついて見えてしまいます。ですが、今回は「キッチンはいつも綺麗にしてるし、そんなに友達も来ないから大丈夫」とのことでしたので、妥協しました。

妥協したことによって、開放感のあるLDKを実現できました。全部100点の家づくりは無理ですので、「どこを妥協したいのか」や「どこを譲れないのか」っていうことを考えていただければと思います。

リビングについて

リビングは18畳くらいで、併設のミニ洋室は3.1畳くらいなので、全体では22畳くらいのスペースになっています。

ソファーからテレビの距離も4Pとれていて、さらに勾配天井になっています。リビングの上に2階がない1階完結型だからこそのメリットですよね。吹き抜けにすることもできることはできるんですが、吹き抜けにすると4坪くらいあるので150万円～200万円くらいかかってしまいます。「それはさすがにもったいない」ということで勾配天井にしました。

勾配天井なら、20万円くらいです。なので、吹き抜けにしないことによって、150万円くらい予算が削減できるんです。「そのお金でどこかに遊びに行こう！」というのもアリですよね。

そして、北側には大開口の窓があります。お隣さん側が抜けているので、そこを狙って大開口の窓をつけました。これにより、西側に窓を付けずに北側に窓を付け、明るいリビングを実現しています。さらに窓は全て高さ2,200mmにして開放感を演出しています。玄関ドアも含めて、全て高さ2,200mmです。

リビング併設のミニ洋室について

今回、3.1畳のミニ洋室もつけました。ここも「4.5畳の部屋がほしい」という話でしたが、そうすると予算がさらに30万円～40万円かかってしまいます。ですが、3.1畳あれば将来的に寝室として使うことになった場合でも、敷布団を2枚敷けますし、ベッドを置くこともできるので十分でしょう。

そして、ミニ洋室の下半分はクレートにしました。ワンちゃんのケージを置くことができますし、上半分は荷物を置いて隠すことができます。また、横には仏壇を置けるスペースがあり、ミニ洋室を仏間としても使うことができます。

この家は西道路なので南の採光はそんなにとれないと思いきや、南側に駐車場をとることでお隣さんとの距離を確保しながら、さらに南側のお隣さんが抜けています。そこを狙って窓をとっていくと、南側からの採光も十分にとれるわけですね。というわけで、めちゃくちゃ開放的なLDK＋ミニ洋室になりました。

もちろん、ミニ洋室の天井には物干し金物もつけて、室内干しの準備もバッチリです。また、ワイヤーを通す器具もあるので、これを使って室内干しをすることもできますね。1年の1/3は雨が降って外に洗濯物を干せませんし、花粉の時期なども考えると室内干しをする日はめちゃくちゃ多いんです。なので、外に干す前提の計画はやめて、しっかり室内干しにも備えてくださいね。

ダイニングについて

ダイニングの幅は1,500mmくらいで、十分に四人掛けのテーブルを置けます。さらに備えつけの棚の下にはテーブルを置き、ここは執務スペースになる予定です。

キッチンについて

キッチンはいつも通り幅が2,550mmで、シンプルなホワイトのカウンターにしました。食洗器深型や水切り金物があって、コンセントも設置しています。また、IH水なしグリルや、同時給排のレンジフードといったいつも通りのセットになっています。

カウンターの反対側は1,800mmのカップボードと、幅900mmのパントリーがあります。

また、カップボードの横に通路ができてしまう場合は、冷蔵庫を通路の反対側に持ってくることによってキッチンのスペースを確保できます。今回の場合、3Pを確保して1,800mm＋パントリーをつけることができました。

さらに冷蔵庫スペースの横には、もう一つセカンド冷凍庫置き場も確保しています。上には棚もあるので、収納することもできますね。最近では、「毎日料理をするのは難しい」ということで、セカンド冷凍庫を付ける人も増えています。

水回り編

洗面所のWICについて

洗面所は洗面台の横に棚があり、さらに後ろ側には約3畳のWICがあります。WICは本来は真ん中から入った方がいいんですけど、今回は廊下を作る必要があったので、やむなく端っこから入るような設計になっています。入ったところからは両側に収納があり、1階に荷物を全部詰め込んでいけます。まさに夢のような1階完結型間取りですね。

脱衣所について

脱衣所には、乾太くんの5kgデラックスタイプをつけました。

お風呂について

お風呂はいつも通りの1坪タイプでスッキリしています。鏡もカウンターも、浴室乾燥機もなくシンプルなタイプです。脱衣所にも室内干し用の金物がありますし、先ほど紹介した通りミニ洋室にも室内干しの準備があるので、十分でしょう。

これで1階だけで暮らすことができますね。2階にも部屋があるので4LDKですが、2LDKの平屋のように使えます。今回は敷地が44坪とちょっと広めでしたが、このように敷地が広い場合は1階完結型の間取りを目指してみてください。

居室編

主寝室について

キッチンの奥には、5.7畳の主寝室があります。入口近くにはクローゼットもばっちりあります。

2階について

2階にあがるところもオープンになっていて、開放感を演出しています。

2階の間取りは見ての通り「寝るだけのスペース」と割り切って、極めて小さい間取りになっています。特に、廊下が0.8畳しかありませんが、それによって部屋は4.5畳と4.3畳のスペースを確保できています。さらに、4.5畳の部屋にはWICも確保しています。このように2階は寝るだけと割り切って、とにかく1階を重視し1階完結型でほぼ平屋の間取りになっております。

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