2024.11.30
家を建てる時には、色々と憧れの設備もあるでしょう。
しかし夢や憧れだけで家を建てると、意外なデメリットや落とし穴にはまってしまうことも…。
そのためまずは、よく「施主の憧れ」になりがちな設備について、しっかりと現実を直視し、その上で「それでもやりたいのか?」検討していきましょう。
デメリットを知ったうえで検討しよう!
関連動画(YouTube):『採用してはいけない憧れの設備7選|天窓・屋上バルコニー・全館空調』
目次
採用すると後悔する「憧れの設備」7選!
家を作る時は、色々と憧れの設備があるもの。
ただし憧れだけで採用すると、後悔してしまうということも少なくはありません。特に採用するとデメリットが大きい7つの設備はこちら。
- 木製のウッドデッキ
- 天窓(トップライト)
- 屋上バルコニー
- 壁一面の「大開口窓」
- ダクト給気&特殊エアコンの全館空調
- 見せる収納
- スキップフロア
もちろんデメリットを知っても「俺はやりたい!」、「憧れなんだよ!」という人はいいですが、まずはそれぞれ、どのようなデメリットがあるのか詳しく見ていきましょう!
①:木製のウッドデッキ
木製ウッドデッキはシロアリの温床に…
実は木製のウッドデッキは、「シロアリにとって最高の環境」です。
というのもシロアリは、基本的に「水」と「セルロース(腐った木)」が大好物。
そのため木製のウッドデッキは、劣化が進めばシロアリへの「撒き餌」になってしますし、加えてウッドデッキがシロアリが苦手とする「光」と「風」を防ぐ役割も担ってしまうため、まさにシロアリにとっての「天国」になってしまうんです、
ウッドデッキを作るなら「樹脂製」で!
そのためウッドデッキを作るなら、必ず「樹脂製」にしましょう。
最近では、木目模様がかなりリアルなものが増えてきていますから、ウッドデッキを作るなら必ず樹脂製を採用するようにしてください。
関連記事:『シロアリ対策・予防に!新築戸建てに最適な「防蟻処理」とは?』
②:天窓(トップライト)
天窓も憧れる人が多いですが、これも後悔ポイントとして多いものなのでやめておきましょう。大きな理由は2つ。
後悔ポイント①:雨漏りリスクが高い
当然ですが、天窓というのは「屋根に穴を開ける」わけですから、その分雨漏りリスクも高くなってしまいます。
いくらしっかり施工したところで、サッシ周りが劣化してくると雨漏りリスクはどんどん上がっていきますから、やめた方が良いですね。
関連記事:『屋根選びの前に!新築で「雨漏りの原因」になりやすい箇所はどこ?』
後悔ポイント②:夏がとにかく熱くなる
たまにオフィスなどで天窓を採用しているところも見かけますが、そんなところで打ち合わせしたら、真上から直射日光が入るためむちゃくちゃ暑くなります。
ただし、天窓の代わりに高い位置で採光する「高窓(ハイサイドライト)」は全然OKですので、採光目的で天窓を検討するのであれば、高窓から検討するようにしましょう。
③:屋上バルコニー
後悔ポイント①:雨漏りリスクが上がってしまう
屋上バルコニーは、通常屋根材を使うところをシート防水、ウレタン防水、FRP防水などで防水処理を行う形になるのですが、当然これらは通常の屋根材よりも防水性能が低いので、屋上バルコニーにすることで雨漏りリスクが高めることにもつながってしまいます。
雨漏りリスクの度合いとしては、天窓ほどではありませんが、一般的な屋根材を使用するよりも圧倒的に雨漏りリスクが高くなるため要注意です。
関連記事:『【新築】雨漏り対策から考える「屋根形状」の種類・勾配・軒の出を徹底解説!』
後悔ポイント②:メンテナンス費用も高額に…
一般的には、バルコニー部分ではシート防水やウレタン防水、FRP防水などで防水処理を行うのですが、これらは大体10年程でメンテナンスが必要になります。
このように、屋上バルコニーにすると、通常の屋根よりもメンテナンス頻度が多くなってしまうので、メンテナンスコストで見てもおすすめはできませんね。
後悔ポイント③;実際住んだらそんなに使わない!
屋上でバーベキューをやると、片付けが大変です。
何度も1階のキッチンまで行かないといけませんから、恐らく1度バーベキューしたら「来年から公園にしよう…」という気持ちになるでしょう。
もちろん「それでもやる!」という人もいますが、お金をかけて作った割には使う頻度が少なくなるのが、屋上バルコニーあるあるですね。
④:壁一面の「大開口窓」
後悔ポイント①:冬は寒いし、夏は暑い!
ルームツアー系の番組などで、「リビングのオーシャンビューが…」なんて紹介することもありますが、極力やめた方がいいでしょう。
室内の温度は「窓」を通して出入りしますから、大開口すぎる窓を作ってしまうと、冬は寒く、夏は暑くなってしまいます。
後悔ポイント②:冬は結露しやすくなってしまう
BE ENOUGHが推奨しているオール樹脂サッシは最大で、「幅:2.5m、高さ:2.2m」くらい。
つまりこれより大きなサイズになると必然的にオール樹脂ではなくなり、アルミ樹脂複合サッシかアルミサッシになってしまい、その分結露しやすくなってしまうんです。
窓が結露してしまうと、毎朝ビショビショに濡れたサッシを拭いたりしないといけないだけでなく、壁内結露により木材が腐り、シロアリをおびき寄せる原因にもなってしまいますので、まず避けた方がいいでしょう。
関連記事:『【完全攻略】新築の「窓選び」最適解は?窓の種類/性能/配置など徹底解説!』
⑤:ダクト給気&業務用エアコンの全館空調
後悔ポイント①:汚れたダクトを通って給気される
「エアコン一台で家中あたたかく!」みたいなやつ自体は悪くありませんが、方式に問題があります。
ダクト給気というのは、配管経由で各部屋に空気を送る方式なのですが、どうしても時間が経つとダクトの中が汚れていってしまいます。
となると各部屋には、埃まみれのダクトを通った空気が供給されるわけです。
後悔ポイント②:修理費がとにかく高い+時間がかかる
また中には量販店で売っていないような業務用エアコンを使用するタイプの全館空調もありますが、業務用のため壊れたときの修理費用がめちゃくちゃ高いです。
具体的には80万円とか90万円とか…、100万円以上する場合もあります。
しかも量販店の人が修理できるものでもないので、修理までに2~3週間と結構時間がかかりますから、壊れたタイミングで結局壁掛けエアコンに切り替える…という人も結構多いですね。
後悔ポイント③:修理しないと換気も滞ってしまう…
万が一壊れても、壁掛けエアコンに切り替えれば何とか暑さ、寒さはしのげますが問題はここから。
全館空調システムというのは、「換気システム」も兼ねているので、全館空調システムを修理せずそのままにしておくと、家の換気が止まってしまうんです。
こうなると、二酸化炭素濃度が上昇し、睡眠の質が落ちてしまったり、ハウスダストが滞留することで、アレルギー疾患のリスクが高くなるなど健康被害にもつながりかねません。
最初に「デメリットを知っても乗り越えられるならOK!」と言いましたが、正直この設備だけは絶対にやめておいた方がいいでしょう。
関連記事:『致命的なデメリット!「全館空調システム」を絶対におすすめしない”3つの理由”とは?』
⑥:見せる収納
後悔ポイント①:綺麗な状態を維持できない…
「見せる収納」もかっこいいですが、生活するわけですから、綺麗な状態を維持し続けるのはほんとに難しいです。
扉を点けないためホコリも溜まりやすくなるし、見せる前提となるとその分収納量も減ってしまうため良いことなしです。
実際、オシャレに飾ったところでお客さんもそんなに来ませんから、掃除の手間なども考慮すると見せる収納はやめた方がいいでしょう。
ただし写真などを飾る「飾り棚」などはあってもいいと思います。「飾るところは飾るところ・収納は収納で隠す!」と、メリハリをつけて考えた方が良いですね。
関連記事:『【間取りのコツ】“生活感のない家”を作るために抑えるべき「収納」の鉄則5選!』
⑦:スキップフロア
後悔ポイント①:家中が段差だらけに…
スキップフロアと言ったら、例えば階段の踊り場を上がったところをちょっと広くして勉強スペースにしてみたり、本棚を置いてみたり…とかですね。
ちょっとであればいいと思うのですが、家中スキップフロアにしてしまうと「半分あがって部屋、半分あがって部屋…」という感じになり、階段、段差だらけになっちゃいますから、住み心地を重視するなら避けた方がいいですね。
まとめ
採用すると後悔する憧れの設備7選!
- 木製のウッドデッキ
⇒シロアリの大好物なので「樹脂製」が推奨 - 天窓(トップライト)
⇒雨漏りリスクが高い
⇒夏がとにかく熱くなる - 屋上バルコニー
⇒雨漏りリスクが上がってしまう
⇒メンテナンス費用も高額に…
⇒実際住んだらそんなに使わない! - 壁一面の「大開口窓」
⇒冬は寒いし、夏は暑い!
⇒冬は結露しやすくなってしまう
(結露はシロアリ被害の原因にも…) - ダクト給気&特殊エアコンの全館空調
⇒汚れたダクトを通って給気される
⇒修理費がとにかく高い+時間がかかる
⇒修理しないと換気も滞ってしまう… - 見せる収納
⇒綺麗な状態を維持できない… - スキップフロア
⇒家中が段差だらけに…
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