2024.11.30
寒くなり乾燥する時期になってきたので、今回は冬の乾燥対策と湿度管理の方法、加湿器の選び方を紹介します。加湿器は色々なメーカーから出ていますよね。またスチーム加熱式、気化式、超音波式、ハイブリッド式など、加湿方法も様々です。そこで、たくさんの加湿器を買った加湿器マニアの私がおすすめの加湿器やメンテナンス、電気代といった点も紹介していきます。
正しく加湿して健康を維持しましょう!
本記事の内容は、YouTube動画でも分かりやすく解説していますので、こちらもご覧ください!
参考動画:加湿器マニアが選び方と冬の乾燥対策を徹底解説!湿度を%で管理したらダメ!
目次
パーセンテージ(%)による湿度管理は間違い!
冬になるとエアコンをつけますよね。そして、エアコンをつけると、乾燥は避けられません。乾燥すると肌も喉も痛み、湿度管理が大切になってきます。そのため「湿度を50%にしよう!」という湿度管理をする人がいますが、実はこの%による湿度管理が、まず間違っています。恐らくですが、日本人の90%以上が間違った湿度管理をしていると考えられます。
「ちゃんと湿度50%にしているのに、なんか乾燥する」とか「窓を樹脂サッシにしたのに、めっちゃ結露してカビが生えちゃう」なんてことにならないためにも、%で管理しない正しい湿度管理の方法を学んでいきましょう。
その上で、加湿器の選び方をチェックすることが大切です。各加湿器のメーカーが「スチーム式はメンテナンスが楽だよ」、「電気代の面では気化式がおすすめ!」、「デザイン的には超音波が良いよね」などの意見があるため、どれを選ぶべきか分からない人も多いですよね。
(出典:ダイニチ工業株式会社)
それで、分からないままに使ってみたら、今問題になっている「加湿器肺炎」になってしまうこともあります。また、「水の交換頻度が高くて大変!」、「うるさくてリビングで使いたくない」、「白い粉はついて汚れが目立つ!」なんて悩む人もいますよね。
そこで、おすすめの加湿方式だけじゃなくて、タンクの容量や畳数表示の選び方も紹介していきます。エアコンの畳数表示が当てにならないように、加湿器の畳数表示も注意点があるんです。
ですので、これから新築を建てる方はもちろん、賃貸の方も、マンションの方も含めて、大切な湿度管理や加湿器の選び方を知り、冬の乾燥対策を学んでいきましょう。
・暖房器具の選び方については、ぜひこちらの記事もご確認ください。
新築で失敗しない暖房計画・機器を徹底比較!エアコンの電気代を下げる4つのテクニックも紹介【知らなきゃ損】
正しい湿度管理の方法
湿度管理が重要な理由とは?
乾燥すると、肌も荒れますし喉も痛くなりますよね。喉が痛くなるということは喉のバリア機能が落ちているということなので、風邪やインフルエンザにかかりやすくなってしまいます。さらに、空気が乾燥すると、ウイルスの活動が活発になるんです。空気中の水分が多いとウイルスも地面に落ちていき、身体に入る可能性も低くなります。ですが、乾燥するとウイルスが空気中を浮遊し、身体の中に入ってくるんです。
このように乾燥には良いところがありませんが、一方で加湿しすぎもおすすめできません。湿度が高すぎると、結露が起きてしまいます。
「せやまさんおすすめの樹脂サッシなら結露しないんじゃないの?」という人もいますが、そんなことはありません。加湿しすぎると、樹脂サッシであろうとなんだろうと結露します。そして、結露するとカビが生えて空気が悪くなったり、壁の中が結露してシロアリに食われて家の寿命が縮んでしまうこともあります。
つまり、加湿しなさすぎず、加湿しすぎず、ちょうどいい塩梅の湿度をキープすることが大切です。ここをどうやってコントロールするかということが大事なんですね。
正しい湿度管理の方法
よく「湿度50%を目指しましょう」というように、%が使われることが多いですよね。ただし、これは正確には相対湿度(%)というものです。一方、湿度管理にはもう一つの指標があって、それを絶対湿度(%/㎥)と言います。
結論を言うと、絶対湿度を意識した方が、正しい湿度管理をすることができます。
絶対湿度とは?
絶対湿度とは、「空気の中に何gぐらい水分が含まれているか」を意味する指標です。1㎥のサイコロの中に、水分が何g含まれているかということですね。というわけで、単位は「g/㎥」となります。
この絶対湿度の適切な値というのは、大体8~11g/㎥だといわれています。8g/㎥を下回るとウイルスがたくさん動き出しますし、11g/㎥を超えてくると窓とか玄関が結露しやすくなります。なので、10g/㎥くらいを狙って湿度管理をしていきましょう。
相対湿度とは?
空気中に含むことができる水分量は、空気の温度によって変わってきます。たとえば、温度が25度の場合は、23g/㎥含むことができる、つまり1㎥に最大23gの水を含むことができるんですね。これ以上水の量が増えると、結露してしまいます。
一方、温度が下がって11度になると、最大でも10g/㎥しか空気中に水分を含むことができません。このように、寒ければ寒いほど、空気中に含むことができる最大の水分量(飽和水蒸気量)は下がっていくことになります。相対湿度とは、このように温度ごとの最大の水分量のうち、何%の水分量があるのかを意味する指標です。
つまり「湿度50%」と言われても、気温が25度の場合は23g/㎥×50%=11.5g/㎥になります。これは11g/㎥を超えているので、ちょっと加湿しすぎの状態ですね。窓や玄関が結露し始める水準になっています。一方、気温が11度で湿度50%の場合、10g/㎥×50%=5g/㎥なんですね。8g/㎥を下回らないように湿度管理していく必要があるので、これだとめちゃくちゃ乾燥していることが分かりますよね。喉はイガイガ、肌はカサカサ、ウイルスはびゅんびゅんの状態です。
このように、同じように「湿度50%」という表現でも、温度が25度だったら加湿しすぎで、温度が11度だったら乾燥しすぎということになります。つまり「湿度50%」という相対湿度だけでは、正しい湿度管理ができないんです。
ちなみに、相対湿度50%でちょうど良い湿度になる温度というと、20度だと8.7g/㎥、22度だと9.7g/㎥となるので、20~22度くらいです。なので、20~22度くらいの温度にした上で、相対湿度を50%にしていくのが正解です。ただ、「湿度50%にしておけば大丈夫!」とばかり意識するのは良くないので、注意してくださいね。
正しい湿度管理の方法まとめ
正しい湿度管理の方法は?
- 絶対湿度(g/㎥)で管理しよう!
→絶対湿度計の仕様がおすすめ。相対湿度(%)だけでアラートを出す湿度計は微妙
→絶対湿度8~11g/㎥を意識する(特に10g/㎥がおすすめ) - 絶対湿度計がない場合は、温度と相対湿度(%)をセットでチェック
→温度22度なら、相対湿度50~55%ぐらいが目安
→温度20度なら、相対湿度55~60%ぐらいが目安
→温度18度なら、相対湿度60~65%ぐらいが目安
→管理が面倒なら、温度は20~22度、相対湿度は50~60%を意識!
加湿器の選び方
加湿器を選ぶ時は、まず最初に加湿方式で悩む人が多いですよね。主な加湿方式は、以下の通りです。
- 加熱式(スチーム式)
- 気化式
- 超音波式
- ハイブリッド式(加熱&気化)
- ハイブリッド式(加熱&超音波)
以上の5つのパターンについて、それぞれのメリット・デメリットをチェックしていきましょう。
ちなみに、加湿器の評価ポイントは以下のようになっています。
加湿器の評価ポイント
- メンテナンス性
怠ると加湿器肺炎(加湿器内の雑菌が空気中に拡散され、それを吸うことが原因)の恐れ
特に気化式・超音波式は要注意 - 送風温度
加熱式は熱い空気が出る
気化式は冷たい空気が出る - 騒音
目安は40db以下
「うるさい」という口コミが多い加湿器は要注意 - 清掃性(白い粉リスク)
超音波式は床や棚にカルキ成分が付着する - 電気代
- 自動運転機能
過加湿の防止に必須!
%表示がズレやすい点に注意 - 転倒しにくさ
薄っぺらい筐体は倒しやすい
こちらも意識しながら加湿器を選んでいってくださいね。
加湿方式①加熱式(スチーム式)
まず、加熱式(スチーム方式)は非常にメンテナンスしやすいです。掃除をしなくても良いわけではありませんが、温度を上げるので菌が死滅します。加湿器肺炎の対策としては一番でしょう。ただし、送風温度は高いので、小さい子どもやペットがいる家庭では注意が必要です。
音に関しては機種によります。ファンがついている加湿器はそれなりにうるさいですし、加湿器がついてない機種ならそれほど音はしません。ただし、ファンがついていないと部屋全体の加湿はしづらい点に注意しましょう。騒音に関しては、必ずカタログに記載されているdbと、口コミを調べてくださいね。
そして、白い粉リスクの清掃性は問題ないですね。これは超音波式だけの話なので、加熱式は問題ありません。ただし、加熱式は電気代が高いんです。全方式の中でも一番高いですね。使い方や機種によっても全然異なりますが、高いことだけは覚えておいてください。
また、自動運転機能と転倒のしづらさに関しては機種によるので、一概には言えません。加熱式の選び方というわけではないので、機種によって選んでください。表の通り、加熱式のメリットとしてはメンテナンス性の良さですね。ただし、送風温度が高いことと、電気代が高い点に注意が必要です。
【加熱式が向いている人】
子どもが大きくなったご家庭
数千円の電気代を許容できる
加湿方式②気化式
気化式は、濡れたタオルに風を当てて加湿する方式ですね。このタイプは、メンテナンスがちょっと面倒です。
特に、気化フィルターが面倒ですね。これが常に濡れた状態なので、2週間に1回くらいは水洗いしなければなりません。さらに1ヶ月に1回はクエン酸や重曹でつけ置きしなければなりません。このようなフィルター掃除が手間なので、メンテナンス性は微妙でしょう。
送風温度ですが、これは冷たい空気が出るので寒くなります。なのでエアコンの近くなどに置く場合は良いのですが、そうじゃない場合は寒くなるので注意してください。騒音に関しては機種によって異なりますが、風を当てるために音がします。口コミをしっかりチェックしてくださいね。白い粉リスクは問題ありません。
続いて、電気代に関してですが、めちゃくちゃ安いです。全方式の中で一番安く、月に数百円くらいですね。このように電気代が安いのが気化式のメリットですが、メンテナンスの手間がかかるのがデメリットです。また、出てくる空気が冷たいので、その点も注意が必要です。
【気化式が向いている人】
暖房器具の側に置ける
電気代を抑えたい
加湿方式③超音波式
超音波式の加湿器は、振動によって水を小さい粒子にして加湿します。そんな超音波式加湿器の最大のデメリットは、メンテナンス性です。水をそのまま撒くので、水や加湿器の中が汚れていたら、その菌もまるごと撒き散らしてしまうんです。なので、メーカーにもよりますが週に一度くらいは細かく綿棒などを使って拭かないといけないようです。
ただし、超音波式はオシャレなデザインのものが多いので、掃除が苦にならない人には良いでしょう。その他にも、送風温度は常温で、騒音もないというメリットもあります。静かなので寝室に向いていて、おしゃれな寝室にしたい人かつメンテナンスできる人には良いでしょう。
また、超音波式の加湿器の場合は白い粉が出てしまいます。超音波式はそのまま水を撒いているので、その水が付着した場所が乾燥すると、水道水の成分が出てきてしまうんですね。
電気代に関しては安く、気化式の次に安いと言われています。数百円くらいで使えるでしょう。清掃性が悪いとかメンテナンス性が悪いとかのデメリットはありますが、メンテナンスがしっかりとできて、おしゃれで静かな加湿器を寝室に置きたい人には向いているタイプでしょう。
【超音波式が向いている人】
清掃メンテナンスがしっかりできる
静かな寝室におしゃれに置きたい
加湿方式④ハイブリッド式(加熱&気化)
加熱式と気化式のハイブリッドタイプの加湿器は、メンテナンス性は気化フィルターがあるため、少し面倒です。二週間に一回の掃除、一ヶ月に一回のクエン酸での掃除が必要になってきます。
送風温度に関しては、気化式の加湿器は冷たい空気が出てきますよね。ただ、加熱式とのハイブリッドタイプなので、温めてから気化するため、冷たい空気は出てきません。また、騒音に関しては、少しうるさいですが、機種によります。最近静かな機種も出てきています。
電気代は、加熱式と気化式のハイブリッドなので、割と高めです。ただ、加熱式オンリーよりは安く使えるので、1,000~2,000円くらいで済むでしょう。ただし、初期費用はちょっと高いので、覚えておいてくださいね。
【ハイブリッド式(加熱&気化)が向いている人】
バランス重視
フィルター掃除ができる
加湿方式⑤ハイブリッド式(加熱&超音波)
最後に紹介するのは、加熱式と超音波式のハイブリッドタイプの加湿器です。これは白い粉リスクが解決されていません。メンテナンスに関しても、超音波部分の掃除はしっかりやっていかなければなりません。
せやまさんおすすめの加湿器は?
ここまで5つのタイプの加湿器を紹介しましたが、私個人としてはハイブリッド式(加熱&気化)がおすすめです。もちろん、スチーム式でも小さな子どもやペットがいない家庭なら全然問題ないですし、電気代を気にしない人なら最高でしょう。また、気化式も暖房の近くに置ける環境の人なら問題ないですし、超音波式もこまめな掃除が苦にならないなら良いでしょう。「絶対このタイプの加湿器じゃないとダメ!」ということはありませんので、それぞれの弱点を把握した上で適切に選んでいってくださいね。
加湿器の選び方②加湿量と対応畳数
(出典:一般社団法人日本電機工業会)
加湿器のサイズや、対応している畳数も気になりますよね。ここの選び方に関しては、一般社団法人 日本電機工業会規格「JEM1426」から目安が出ています。基本的には、この通りに選んでいけば良いでしょう。ただし、注意点があります。
注意点:畳数表示の見方
プレハブ住宅の洋室の畳数表示+αくらいはいけると考えて大丈夫です。エアコンの畳数表示も、当てにならなかったですよね。50年以上前の無断熱の木造住宅が基準になっているので、今の家だったら6畳用のエアコンでも5~6倍の30~36畳ぐらいまで対応できる、というのがエアコンの畳数表示です。
ただし、加湿器の畳数表示はそれほどではありません。目安を守っておいた方が良いでしょう。たとえばリビングで使うなら、プレハブ住宅洋室用の19畳用で、加湿量としては700mL/h(1時間に700mLぐらい加湿する加湿器)以上のものを選びましょう。
もちろん、加湿したいのはリビングだけではないので、私としては22~24畳ぐらいの機種を選んでおくのがおすすめです。ただ、最低ラインとして「19畳用で700mL/h以上」という目安を覚えておきましょう。
エアコンの畳数表示に関しては、ぜひこちらの記事もご確認ください。
・何畳用のエアコンを買うべき?畳数から最適なエアコン容量を計算する方法!
加湿器の選び方③タンク容量
加湿器のタンク容量も結構大事なポイントです。小さいのを選んでしまったら、取り替えるのがとてもめんどくさいです。というわけで、4L以上は必須です。ただ、できれば5Lとか6L以上にすると良いでしょう。6Lになると子どもが取り替えるのが厳しくなりますが、そこは大人がやれば良いですよね。大きめのタンク容量にして、取り替えの頻度を減らしていきましょう。
加湿器の選び方④おすすめの加湿器
というわけで、ここで私のおすすめの加湿器について、一度まとめていきます。
せやまさんおすすめの加湿器スペック
- 加熱方式:ハイブリッド式(加熱&気化)
- サイズ:プレハブ洋室の22畳(800mL/h)以上
- タンク容量:6L以上
以上のスペックを目安にしつつ、それぞれの家庭の事情に応じて決めてくださいね。
せやまさんが使ってる加湿器は?
また、加湿器マニアのせやまさんが色々なメーカー・機種の加湿器を買った上で、リビングでどんな加湿器を使っているのかというと、ダイニチ工業の加湿器です。サイズはプレハブ洋室24畳で、860mL/h加湿するタイプです。タンク容量は6.3Lですね。
せやまさんが使ってる加湿器のメリット
この加湿器の良いところは、ハイブリッド式(加熱&気化)なので、出る空気が常温です。また、ついているのか分からないくらい音が静かで、とても使いやすいです。また、タンク容量も大きいので、取り替え頻度が少なく、倒れづらいといったメリットもあります。もちろん、湿度の自動調整機能もついています。
(出典:ダイニチ工業)
さらにズボラなせやまさんが選んだポイントとしては、使い捨ての気化フィルターという設定があるんです。ワンシーズン使ったら捨てて、新しいのをつければ良いんです。「ちゃんと洗って使えば良いのに、もったいない!」というのはその通りなんですが、ズボラな人にとっては使い捨てのフィルターは非常に便利ですよね。
せやまさんが使ってる加湿器のデメリット
ただ、致命的なデメリットがあって、販売サイトが分かりづらすぎるんです。型番が多すぎて、どれが最新なのか、どれが古いのか、どの容量がどの加湿器なのか分かりづらいんです。
さらに、交換のフィルターがどの機種に該当しているかも分かりづらいんですよ。一覧表みたいなのに書いてあるんですけど、型番が多すぎてマジで分かりません。なので、ちょっと買いづらいと感じる人も多いでしょう。
(出典:ダイニチWeb Shop)
今買う場合は、ダイニチ工業の公式通販サイトで、2022年のアウトレット品が売っているので、それで良いでしょう(2023年12月時点)
加湿器の運用上の注意点
加湿器を使う時には、ちゃんとした使い方を覚えておく必要があります。というわけで、重要な運用上の注意点も紹介していきます。
運用上の注意点①メンテナンス
加湿器を使う時は、メンテナンスをしっかりやってください。メンテナンスの目安は以下の通りです。
加湿器のメンテナンスの目安
- 超音波式(ハイブリッド式含む):週に1回
- 気化式(ハイブリッド式含む):気化フィルターを2週間に1回
- 加熱式(スチーム式):内部の水垢掃除
こういった掃除をサボると、加湿器肺炎になるリスクがあります。健康でいることが一番価値があることですので、加湿器のメンテナンスもしっかりして健康維持をしてくださいね。特に、季節の使い始め・終わりの掃除は入念に行いましょう。
(出典:ダイニチ工業)
また、給気フィルターの掃除もしっかりやってくださいね。給気フィルターは背中側についているんですが、これに埃がたくさん溜まるんです。これを放置しておくとめちゃくちゃうるさくなりますし、電気代も上がります。なので、このフィルター掃除も忘れずに行ってくださいね。エアコンもトイレもお風呂も換気システムも加湿器も、フィルター掃除が大切ですよ。
さらに、水も毎日取り替えましょう。「ちょっと減ってるだけだから」と継ぎ足して使うと、前の日の水ってどんどん菌が繁殖していくんです。これが原因で加湿器肺炎になる人も多いので、内部の掃除をするだけではなく、水も毎日新鮮な水に取り替えるようにしましょう。
運用上の注意点②設置場所
これもミスする人が多いので、注意しましょう。まず、窓の近くはNGです。窓が結露し、カビの原因になるので避けましょう。また、テレビやPCといった精密機器の近くも故障リスクが高まるので、NGです。
さらに、加湿器を壁にくっつけるのも、給気の効率が悪くなったり、加湿器本体の故障の原因になったりします。メーカーごとによって異なりますが、壁から離れた場所に置くようにしてくださいね。
また、こちらはできればで良いのですが、エアコンの風上に置いてください。エアコンの真下はNGですが、エアコンの空気が出る場所くらいに加湿器を置くと、乾燥した温かい空気と、加湿された湿度の高い空気が合わさって、部屋全体に拡散していきます。なので、新築で家を建てる場合、エアコンの位置はもちろん考えると思いますが、加湿器を置く位置も一緒に考えてみてくださいね。
加湿器Q&A
加湿器Q&A①寝室の加湿器は何が良い?
寝室に置く加湿器は小さな子どもがいない場合、加熱式(スチーム式)の加湿器でOKです。湿度の自動調整機能付き加熱式加湿器を置けば良いでしょう。ただし、小さな子どもがいる場合は使いづらいので、寝室でもハイブリッド式(加熱&気化)タイプの加湿器がおすすめです。ちょっと高いですが、必要な投資でしょう。
もちろん「静かでおしゃれな加湿器が良い!」ということであれば、超音波式の加湿器でも全然構いません。ただし、メンテナンスには注意してくださいね。
加湿器Q&A②加湿機能付きのエアコンはどう?
これは、あまり当てになりません。外の空気が乾燥していたり、エアコンの送風量が弱かったりすると、加湿量が落ちてしまいます。安定的な加湿をすることはできないので、加湿機能付きのエアコンに頼りすぎない方が良いでしょう。あくまでサブ的な機能だと思っておいてくださいね。
なので、エアコンを新調する場合、加湿機能付きのエアコンを選んで買う必要はありません。空気を暖めるのはエアコン、加湿をするのは加湿器、というように専用家電を使うのが無難でしょう。
加湿器Q&A③お風呂を開けておけば加湿になる?
これは、一時的には加湿されますが、めちゃくちゃ限定的です。そんなんでリビング全部が加湿できれば、苦労しませんよね。もちろん、狭いビジネスホテルに泊まる時にお風呂を開けておけば加湿されますが、最近ではホテルにも加湿器が置いてありますよね。それくらいお風呂の水で加湿できる量は大したことないので、あまり当てになりませんし、おすすめしません。
加湿器Q&A④調湿機能付きの壁紙はどう?
「これなら加湿機能もありますよね?」と聞かれることもありますが、これもあまり当てになりません。気休め程度に思っておいた方が良いでしょう。意味がないとは言いませんが、壁紙が湿度を保っておける量なんて大したものではありません。また、一度加湿をしたら再度湿度を溜めなければなりませんよね。ただ、その吸う湿気はどこからもらうのかと言ったら、空気中なので、やっぱり加湿器が必要になるんです。
というわけで、「デザインがかっこいい」という理由で調湿機能付きの壁紙を選ぶのは良いですが、加湿性能を期待して選ぶのはやめた方が良いですよ。
加湿器Q&A⑤加湿器以外の乾燥対策は?
「加湿器以外の乾燥対策にはどのようなものがありますか?」と聞かれるので、これも回答しておきます。そもそも、喉が痛い場合や乾燥した場合は、すぐに病院に行きましょう。薬は適切に使った方が良いです。喉が痛い場合は早めの吸入が大事な場合もありますし、重症化してから受診しても治るまで時間がかかるので、異常がある場合は早めに病院に行ってください。
(出典:MISHII LIST)
その上で他の対策といえば、就寝時には就寝用のマスクの着用がおすすめです。普通のマスクだと痛いですが、シルクで保湿するマスクがあって、私も愛用しています。起きた時には下に降りてきてマフラーになっていることもありますが、それも良いでしょう。首・手首・足首を温めるのは人間にとって非常に大切ですので、乾燥対策だけではなく冷え対策もしていきましょう。
他の乾燥対策としては、鍋をしたり、やかんで湯を沸かしたりといった方法もあります。一時的ではありますが、加湿になることは間違いないでしょう。
まとめ
冬の乾燥対策と加湿器の選び方
- 湿度管理が重要な理由
肌荒れ・喉の痛み・風邪対策に湿度管理は重要!
乾燥するとウイルスが浮遊しやすい
加湿しすぎは結露の原因になる
→適切な湿度のキープを! - 湿度管理は相対湿度(%)ではなく、絶対湿度(g/㎥)を意識
→絶対湿度計を使って、8~11g/㎥が適切。特に10g/㎥前後を狙おう
→管理が難しいなら温度20~22度、早退湿度50~60%を意識する - 各加湿器の特徴
加熱式(スチーム式):メンテナンスが楽だが、熱が発生し電気代が高い
気化式:電気代が安いが、冷たい空気が出てフィルター掃除が手間
超音波式:オシャレで静かで電気代も安いが、メンテナンスが面倒で白い粉が出る
ハイブリッド式(加熱&気化):バランスが良い
ハイブリッド式(加熱&超音波):メンテナンスの手間がかかり、白い粉も出る - おすすめの加湿器のサイズ
リビングに置くならプレハブ洋室19畳以上、タンクは4L以上(できれば6L以上)が推奨
おすすめはハイブリッド式加湿器(加熱&気化)・プレハブ洋室19~22畳、タンク容量6L以上