2024.11.30
家は人生で一番大きな買い物ですから、「しっかり保証周りを固めたい!」という気持ちもわかります。
しかし保証・保険にお金の掛け過ぎてしまって、本来予算を割くべき家本体がチープになってしまっては本末転倒です。
そこで今回は、保証・工事・アフターサービス周りの標準仕様について、「どういったリスクに備えるべきか?」、「具体的に何年保証にすべきか?」などについて解説していきます!
「そもそも標準仕様って何?」という方は、より理解を深めてもらうためにも先に以下記事から読んでくださいね!
関連記事:『住宅会社の「標準仕様」を見極める方法|「せやま標準仕様」19項目を徹底解説』
目次
標準仕様をチェックする前に…
ハウスメーカーの「30年/60年保証」は損をする可能性が高い
長期保証の継続には「10年毎の有償メンテナンス」が必須
こうした「30年保証」「60年保証」というのは、基本的に「10年ごとの有償メンテナンス工事」が必須です。
というのもこれをやらないと、ハウスメーカー側からの保証が打ち切られてしまうんです。
さらに、こういったメンテナンス工事は基本的に家を建てたハウスメーカーにお願いするしかないので、「そもそもその工事が本当に必要なのか?」「工事費用は妥当なのか?」などについて確認や交渉の余地もないため、損する可能性が高いと言えます。
長期保証なしで実費で修理した方がコスパがいい!
またこういったの有償メンテナンス工事費用には、当然ハウスメーカー側の「30年/60年保証を続けるための経費+企業利益」が含まれていますから、基本的には長期保証を続けずにメンテナンスが必要になったら実費で修理した方が安くなります。車の車両保険と同じような感じですね。
これらの理由により、BE ENOUGHでは「ハウスメーカーによる長期保証は不要」と考えます。
ハウスメーカーの長期保証ではなく、「メーカー保証」を重視しよう!
では、「長期保証以外で何を参考にすればいいの?」についてですが、参考にすべきは「建材メーカーの保証」です。
外壁や屋根など、基本的に保証年数に比例して性能が良くなるため、仕様検討の際には、性能面に加え「メーカー保証年数」から品質レベルを見極めていきましょう。
標準仕様のチェックは「せやま標準仕様」で!
「家の仕様をちゃんとチェックしましょう!」と言ったところで、「何を、どう見ればいいのか分からない…」という人も多いと思います。
そこで、「特にこの項目が含まれているか?を確認すべき!」という要素をまとめた「せやま標準仕様」を作成しましたので、まずはこちらをダウンロードしてチェックを進めていきましょう。
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建材ごとに何年の「メーカー保証」が理想?
せやま標準仕様内での案内はありませんが、まずは建材ごとに推奨される「メーカー保証年数」について紹介します。
外壁材(塗膜保証) | 15年保証 |
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外壁シーリング(ひび割れ保証) | 15年保証 |
屋根材(塗膜保証) | 15年保証 |
バルコニー防水 | 10年保証 |
それでは、それぞれの内容について詳しく見ていきましょう。
外壁は、塗膜保証15年+ひび割れ保証15年で!
外壁材(塗膜保証)
BE ENOUGHが推奨する窯業系サイディングの場合は、推奨は「塗膜15年保証」。
塗膜保証が15年ついていれば、新築から20年前後は塗り替え無しで綺麗な状態が保てる可能性が高いです。
外壁シーリング(ひび割れ保証)
<「15年保証の外壁材」と「15年保証のシーリング」をセットで活用>
(出典:ケイミュー)
シーリングは劣化でひび割れしやすいため、推奨は「ひび割れ15年保証」のシーリングです。
通常のシーリングだと、「10年に1度」の頻度でメンテナンスが必要ですが15年保証の高耐久タイプになると、新築から20年前後はメンテナンス無しで機能を維持できる可能性が高いです。
また上記のように、「外壁材:15年保証+シーリング:15年保証」と保証年数を合わせておくと、万が一メンテナンスする際にも、一緒に施工すれば足場代などでコストダウンが狙えますから、この2つはセットで考えた方が良いですね。
関連記事:『ツートンはダサい!?かっこいい+機能性の高い”外壁材ランキング”を徹底解説!』
屋根は塗膜保証15年、バルコニー防水は10年保証で!
屋根材(塗膜保証)
<「塗膜15年保証」のガルバリウム鋼板を推奨>
(出典:JFE鋼板 ※一部加工)
BE ENOUGHが推奨するガルバリウム鋼板に限った話ですが、推奨するのは「塗膜15年保証」の屋根材。
一般的には、「塗膜10年保証」の屋根材が多いですが、塗膜15年保証のものを採用すれば、目安として20~30年程は大規模なメンテナンス工事は不要になると考えられます。
関連記事:『【完全攻略】雨漏り対策を踏まえた新築の「屋根選び」の極意を徹底解説!』
バルコニー防水
<30年保証は過剰スペック)>
(出典:永住産業)
BE ENOUGHが推奨している板金防水であれば、「10年保証」が付きます。
一般的な「FRP防水」等であれば、10年に1度の頻度でメンテナンス工事が必要ですが、板金防水であれば定期的に排水口の掃除等をしっかり行っていれば、基本大規模なメンテナンス工事は不要です。
関連記事:『新築必見!雨漏りしづらい「屋根材・ルーフィング」の種類と適切な選び方は?』
「保証・工事・アフター」に関する標準仕様のチェックポイント
①:「保証」編
①-1:瑕疵保険(10年)(★★★)
<住宅瑕疵担保責任の範囲(構造主要部分や雨水浸入防止部分)>
(出典:住宅瑕疵担保責任保険協会)
法律上、住宅会社は「構造耐力上主要な部分」や「雨水の浸入を防止する部分」の設計・施工ミスによる欠陥(瑕疵)に対し、10年間の保証責任(瑕疵担保責任)を負っています。
ただし、住宅会社が倒産したり、財力が低下して工事ができない状態になってしまうと、補修工事ができず施主側が困ってしまいますよね。
こういった時に、住宅会社の状況を問わず、施主が保証を受けられるようにするのが「瑕疵保険」です。
また瑕疵担保責任保険については、住宅会社側で実質義務となっているのですが、契約書とは別に追加費用として請求してくる会社もあるので注意しましょう。
「不同沈下」は瑕疵保険に含まれない!
地盤が沈んで家が傾く「不同沈下」は、瑕疵担保責任には含まれないため、併せて「地盤保証10年」も必須ですよ。
ただし、地盤改良工事は過剰設計になりやすいので、「10年保証してもらえるならそれで充分」と考えてもらえればOKです。
①-2:専門家による財務チェック済or完成保証への加盟登録(★★★)
(出典:住宅あんしん保証)
保証関連でつい見落としがちなのが「完成保証」。
完成保証とは、建築中における「住宅会社の倒産」に備えるための保険で、特に小規模工務店で家を建てる場合は必須ですね。建築「後」の倒産より、建築「中」の倒産の方が100倍困りますからね。
この完成保証に入っていない状態で住宅会社が倒産してしまうと、お金だけ持っていかれて、工事は途中でストップ…という悲惨な状態になってしまいます。
ハウスメーカーなら、加入しなくてもいいのかなは思いますが、何が起こるか分かりませんので、そこは自己責任で判断してください。
せやま印工務店は、専門家の財務チェックも実施!
『せやま印工務店』とは、ビーイナフ独自の「家の性能・標準仕様・価格・営業担当・プランナー・財務状況」などの厳しい審査にクリアした認定工務店のこと。
このせやま印工務店では、性能・価格・人に加え、「財務審査」も実施。第三者の財務専門家を交えて、過去3年分のBS・PL・販管費内訳を細かく審査し、「財務状況が健全な工務店のみ」を認定しているので、工務店探しに苦戦している方は「クルー登録(無料)」からどうぞ!
経営の安定を100%保証するものではありません
火災保険はローンを組まない人も必須!
標準仕様には含まれませんが、ローンを組まない場合であっても「火災保険」には必ず加入するようにしましょう。
また内容についても、火災だけではなく、風災は必須、ハザードマップで浸水エリアの場合は水災も必須です。地震保険(建物)については、保険認定率が低いので必須ではありませんが、加入するなら保険認定率が高い地震保険(家財)を優先するのはアリですね。
加えて、個人賠償責任保険に未加入の場合には、火災保険にセットで入るとお得なので併せて加入しておくようにしましょう。
②:「工事/アフター」編
②-1:定期的な工事報告(★★★)
<新築住宅の情報共有アプリ>
(出典:SOUSEI Technology)
丁寧な施工を担保する意味でも、「工事中の報告体制」はとても大切です。
平日に新築現場を見に行くのは難しいですから、最低でも「週に1回程度は、写真や動画で進捗報告」をしてもらうようにしましょう。記録にも残るので、何かトラブルが起きたときにも役に立ちますよ。
報告方法は、LINEグループでもメールでも何でも構いません。最近では、「家づくり情報共有アプリ」を活用している住宅会社も出てきていますから、工務店と連携して進めてくださいね。
②-2:アフター定期点検+永久フォロー
アフターでは、担当個人との連絡になってしまうと、初期対応が遅れたりトラブル時にも揉めやすいので、「複数の関係者と情報共有できる連絡ツール」が整備されていると良いですね。
営業・設計・現場監督と情報共有しながらアフタ―対応してもらうと、迅速かつスムーズですよ。
また不具合相談などは、何か問題があっても気軽に相談できるよう、「永久にフォローしてくれるような体制になっているか?」を確認しておきましょう。
まとめ
「”保証・工事・アフター”」に関する標準仕様のチェックポイントは、以下の通り。