2024.11.30
キッチンは毎日使う場所ですし、「使っていてテンションが上がる空間にしていきたい!」と思う人も多いでしょう。
しかし、いざInstagramなどで紹介されているデザイン重視の間取りを採用してみると、「冷蔵庫の場所で失敗した」「家族から不評だった」「収納の配置に失敗して、生活感が丸出し…」「キッチンの配置が悪く、音のストレスが…」など、毎日使う場所ゆえに、かえって不便さからストレスになってしまう場合も…。
そこで今回は、整理整頓が苦手な人やズボラな人向けに「これだけは絶対にやめておいた方がいい!」というキッチンの失敗例を紹介していきます。
やりがちな失敗例を元に、キッチンの間取りを作る際のコツなど詳しく解説していきますので、大失敗しないように勉強していきましょう!
関連記事:『【完全攻略】「間取りづくり」で抑えておくべきポイントを”部屋別”で完全網羅!』
目次
キッチンの間取りづくりで避けるべき失敗例7選!
失敗例①玄関ホールから「キッチンの足元」が丸見え
キッチンは「汚くなること」を前提に配置!
キッチンの配置を考える際、玄関ホールからLDKに入った時に「キッチンの足元」が丸見えになるような配置はやめましょう。
建てた後とか住んだ直後は綺麗かもしれませんが、子どもがまだ幼いとグチャグチャになってしまいますし、仕事や家事で忙しいのにきれいに整頓…なんてしてられません。
だからこそ、キッチンはある程度は汚くなることを前提に、玄関ホールから入ったときにもキッチンの足元が見えないよう配置してください。特にLDKに入った瞬間、ゴミ箱が丸見えになるようなレイアウトは避けた方が良いですね。
モデルハウスみたいに常に綺麗なキッチンにすることはできませんから、原則「玄関ホールからキッチンに直通」や「LDKに入った時にキッチンの足元が見える」といった配置は避けるべきでしょう。
玄関ホール⇒キッチンの場合は「壁」で対策を!
例えば、北側に玄関がある場合は、リビングが南側になりますから、北側にキッチンを含めた水回りが来ることが多いと思います。
こういうケースだと、上の間取り図のように「玄関ホール⇒キッチン⇒リビング」という導線になるのですが、この場合キッチンの横に赤矢印部分のような「壁」を作り、その壁に向かってLDKに入るようにすれば、キッチンの目隠しにもなります。
また玄関ホール⇒キッチンの真正面に向かって入るような場合は、キッチンの腰壁(カウンター部分)を高めにしてあげることで、キッチンの天板上を隠すことができます。
もちろん、とにかく掃除を頑張るというのも対策の一つですが、こういった平面図だと「どこが見えるか?」までは分かりませんから、プランナーさんに3Dの内観パースを見せてもらいながら確認しましょう。
失敗例②冷蔵庫を「奥まった位置」に配置する
冷蔵庫は「ダイニングの近く」に配置しよう!
生活感を消そうと、冷蔵庫をキッチンの一番奥に配置する人もいますが、これも絶対にやめた方が良いです。
というのも冷蔵庫を使うのは、キッチンで料理している人だけではありませんよね。ダイニングに座っている人も食事の途中に飲み物を取りに行ったり、マヨネーズを取りに行ったりするわけです。
こんな時、冷蔵後をキッチンの奥まった場所に配置してしまうと、キッチンに立っている人とすれ違うのも大変ですし、ダイニングからぐるっと回って取りに行くのも手間です。
そのため冷蔵庫の配置を考える際には、基本「ダイニングの近く」に配置する、もしくはキッチン周りを回遊動線にして、ダイニング側から冷蔵庫にアクセスしやすいレイアウトにしましょう。
冷蔵庫は「奥行」も考えて配置を考えよう!
冷蔵庫はカップボードよりも奥行があるので、カップボードと並べると、横から見たときに冷蔵庫がカップボードから10~20cm程度はみ出してしまいます。
こういった場合は、カップボードから飛び出さないように「冷蔵庫置き場」を少し奥まらせておけばOK!
このような細かいテクニックは、以下のような間取り実例でも紹介していますからぜひ参考にしてみてくださいね。
関連記事:『【せやまどりNo.60】「5LDKに使いやすい大容量収納・開放感抜群のLDK・最高の家事動線すべて実現した家」の間取り図』
失敗例③カップボード・キッチン間の通路が狭いor広い
キッチンとカップボードの通路幅は、「800~1,100mm」くらいが理想です。
キッチンは2人で立つこともある場所なので、800mmより狭いとごちゃつきますし、逆に1,100mm以上になると、キッチンとカップボードの距離が遠すぎて、食洗器からカップボードにお皿をしまう時などの動線が悪くなる恐れがあります。
よく使われる奥行650mmのキッチンであれば、「カップボードの後ろの壁」から「キッチンの正面」に対し、約2.5P(1P=91cm)程度のスペースを確保しておけば良いでしょう。
そうすればキッチン・カップボード間の通路幅が約1,000mmになるので、通路としても片付け導線的にも最適な距離になりますよ。
一般的なキッチン:奥行650mm、カップボード:奥行450mmの場合
キッチンを壁付けにするレイアウトはどう?
最近では対面式のキッチンが主流ですが、キッチンを壁付けにすることで、リビング・ダイニング側のスペースを広く取れるというメリットもありますし、これは好みで決めてもらってOKです。
ただ、カップボードをキッチン横に置かなければならなくなるため、900mmや1,200mmといった短めのものしか採用できず、収納が減ってしまう点や、最初に上げたリビング側からキッチンの足元が見えやすくなってしまう点、さらに、壁に向かって料理をすることになるので、家族の様子が見えなくて寂しい…というデメリットもあるので要注意。
失敗例④キッチンがリビング・ダイニングから離れている
キッチンは「LDKが見渡せる配置」が理想!
これは先ほどの壁付けキッチンと同様ですが、家族と別の空間にいると集中できる反面寂しいですよね。
せっかく新しい家を建てたんですから、キッチンで料理している人も、リビング・ダイニングで勉強している人も一体の空間で過ごすことが大切です。
そのためキッチンの配置を考える際には、キッチンに立った時に「LDK全体が見渡せるような配置」を意識しましょう。
関連記事:『【せやまどりNo.59】「隙あらば収納も8箇所!コストを抑えて誕生した遊び心ある贅沢リビングの家」の間取り図』
リビングと近いとキッチンの音が気にならない?
確かに、これはデメリットだと思います。
ただ「キッチン⇒ダイニング⇒リビング」というように、キッチンとリビングの間にダイニングを挟んであげると、距離も空くのでキッチンの音が軽減できますよ。
あるいはキッチンの真正面、もしくは真横にリビングを配置するのではなく、あえて「斜め向かい」にレイアウトすることで音のストレスを軽減しつつ、空間的にも一体感が出ると思います。特にキッチンの真横にリビングのソファを配置するのだけは避けた方が良いですよ。
失敗例⑤ガスコンロの前に「壁」がない
ガスコンロは汚れが飛び散りやすい…!
IHの場合、コンロ前の壁は不要ですが、ガスコンロの場合正面に壁を付け忘れてしまうと、キッチン回りに汚れが飛び散る原因になるので注意してください。ガスコンロの場合、「コンロ前の壁」は必須ですよ。
当然コンロ前に壁があると圧迫感があったり…というデメリットもありますが、汚れを防げるだけではなく、手元を隠せる目隠しとしての役割に加え、こういった壁があった方が耐震的にも有利に働く場合もあります。
オープンキッチンはどう?
オープンキッチンに憧れを持つ方も多いと思いますが、先述したようなデメリットを理解した上であれば、なんでもOKです。
ただオープンキッチンの場合、玄関ホールからLDKに入った時も丸見えになってしまいますから、「綺麗に掃除する!」という自信がある方や「汚いのを見られても大丈夫!」という人なら問題ないでしょう。
腰壁・キッチンの最適な高さは?
腰壁の高さは1,100mmくらいがおすすめです。また腰壁を料理を置いたりするカウンターとしても使用する場合には、一般的には幅:10cmくらいだと狭いので、少し伸ばすか、リビングステージにして広めにしておきましょう。
またキッチンの理想の高さは「身長÷2+5cm」だと言われています。
身長160cmの人が立つことを考えると、平均は「85cm」ですね。夫婦で身長差がある場合は、身長が低い方、もしくはよく使う方の身長に合わせるのがおすすめですよ。
失敗例⑥「キッチン」と「洗面所」が遠い
これは「家事導線的に」という話ですが、料理だけでなく、皿洗いをしながら、お風呂の準備をしたり、洗濯機や部屋干しをしたり、子どものお風呂を見守ったり…と家事をするうえで「水回りの移動」は非常に多いです。
そのため、「キッチン」と「洗面所」の配置はなるべく近くにレイアウトするようにしましょう。理想は「ほぼ横並び」ですね。
もちろん、キッチン⇔洗面所をあまり移動しないという方は、わざわざ近くに配置する必要はありませんが、今の生活を振り返ってみて、キッチン⇔洗面所の行き来が多い人はなるべく近くに配置して、「家事の移動」を減らすよう心がけましょう。
昔はキッチンと洗面所が離れてるのが主流
昔は今ほど家の断熱性能が優れていなかったため、暖めやすいor冷やしやすいように、間取り上「各部屋を仕切る」のが主流でした。
その結果キッチンと水回りが遠くなるケースが多かったのですが、この古い考えに引っ張られて、今でも「キッチンと洗面所は離れているものだ」と思い込んでいる人が結構多いです。(ハウスメーカーのプランナーも含め)
もちろん、「キッチンと洗面所が離れていても問題がないよ」という場合はOKですが、キッチン⇔洗面所間の移動が多い人は固定概念に囚われず、なるべく近くに配置した方が絶対楽ですよ。
他にも「1階:キッチン/2階:洗面・脱衣」や、「1階:洗面・脱衣/2階:リビング」という間取りも、移動に階段の登り降りが加わってさらに大変になるのでやめた方が良いですね。
失敗例⑦キッチン回りの収納量が少ない
カップボードは「W1,800mm」以上が推奨!
キッチンに収納するのは、なにも「食器だけ」ではありません。
特に子どもがいると、弁当箱やタッパー、アルミホイルカップ、布巾などのお弁当グッズや買い物に行けない時のための買い溜め、中には連絡帳やお薬手帳などをキッチン回りにしまうケースもあるでしょう。
というわけで、キッチン回りの収納は多いに越したことはないのですが、カップボードを付ける場合はW1,800mm以上がおすすめです。「せやまどり」ではW2,700mmのかなり大きめのサイズを採用することが多いのですが、可能であれば2,700mmを採用するのもいいですね。
また買い溜めの量が多いのであれば、カップボードに加えてパントリーを用意したり、セカンド冷凍庫を置く場所なども検討するとよいでしょう。
関連記事:【せやまどりNo.59】「隙あらば収納も8箇所!コストを抑えて誕生した遊び心ある贅沢リビングの家」の間取り図
パントリーは「可動棚」がベスト!
パントリーを可動棚にしておくと、必要に応じてセカンド冷凍庫を入れることもできるのでおすすめです。
また将来的にセカンド冷凍庫の設置が考えられる場合には、予めパントリーに「アース付きのコンセント」を仕込んでおくのが理想ですね。
またパントリーとは関係ありませんが、ウォーターサーバーを使っているor使う予定がある人は、忘れず「どこに設置するか?」を想定しておいてくださいね。
カップボードの上段はあった方が良い!
「カップボードの上段って、届かないからあんまり使わないし、デザイン的にもない方がスッキリすると思うんですけどどう思います?」と聞かれることがありますが、BE ENOUGHとしてはあった方が良いと思います。
これは、「めったに使わないけど捨てられないもの」を入れるのに便利だからですね。例えばホットプレートだとか泡立て機、ミキサーなど…。
とにかく手の届かない場所であっても、「隙あらば収納」の考え方で収納スペースを優先しましょう。
また「カップボード上段をなくして、窓が欲しい!」ということであれば、ニの字型やコの字型のカップボードにして、調理家電の上に窓を付けるのが良いでしょう。
まとめ
キッチンの失敗プラン7選
- 玄関ホールからキッチンの足元が丸見え
→玄関ホールからはリビング or ダイニングに入る配置を! - 冷蔵庫を見えない位置に置く
→冷蔵庫は原則ダイニングの近くに! - カップボードとの距離が狭い or 広い
→800~1,100mmが適切 - リビングから離れた場所にある
→キッチンとリビングを少し離しつつ、全体を見渡せる配置に - コンロ前に壁がない
→ガスコンロの場合、壁は必須 - キッチンと洗面が遠い
→キッチンと洗面は横並びが理想! - 収納が少ないキッチン
→W1,800mm以上のカップボード設置を!